第7回 在庫精度をいかに上げるか

適切な在庫管理ポイントと現品票

在庫管理の精度を高めていくには、まず、管理ポイントのメッシュが適切に設定され、運用可能なレベルにあることが大前提となります。
そのうえで、あらゆる現品に対し現品票が備えられていることが必要になってきます。

現品票とは全ての現品(原材料、部品、中間仕掛品、完成品のこと)について、それが、いつ、どこで作られ(購入され)、今、どこに、どれくらい所在するのかを取りまとまるための伝票です。品目コードやロットNoなどで管理され、現品の所在位置と数量を正しく把握するためには欠かせないものです。

現品票による管理がしっかりと機能していなければ、棚卸在庫とシステム上の在庫の間に齟齬が生じ、在庫管理も絵に描いた餅となってしまいます。
また、置場所の整理も重要で、置場が決まっていないなどは論外です。

入出庫履歴によるチェック

これらがきちんと行われて初めて、日々の入力に対する検証作業が大きな意味を持ってきます。
入力したデータの照合はその日のうちに行うことが求められます。リストアウトして、それが正しいかどうかを確認します。
ミスが人為的に修正・変更されることを防ぐために、入出庫履歴が残る仕組みの導入も必要です。

棚卸在庫とシステム実際在庫との差異管理

検証作業は最終的には、人の手で行う以外にありません。バーコードシステムの導入によって作業の大幅短縮が可能となるかの「仮説(あるいは神話)」が一部にありますが、バーコードシステムの導入したとしても検証作業は必要です。

在庫の検証作業に王道はありません。棚卸在庫とシステム上の在庫に差異が生じた場合に、どこから手を付けて良いのかさえも、分からない事態となってしまっては手遅れです。そうならないためにも、在庫の不一致の理由や原因が一目で分かるシステムの構築が重要となってくるのです