第9回 基準日程生産計画(MPS)と資材所要量計画(MRP)

基準日程生産計画(MPS Master Production Schedule)とは

基準日程生産計画は、完成品の必要数と必要日決める生産計画のことで、基準日程生産計画をなぜ必要とするのかの理由は以下のようになります。

・受注に合わせて生産を行うのが普通ですが、受注に合わせた生産では生産の負荷平準化ができない。
・受注数が多すぎるため、分割生産を行いたい。
・安全在庫を持ちたい。
・需要予測分の先行生産を行いたい。

すなわち、基準日程生産計画は受注と生産の間を埋めるクッションの役割を果たします。

基準日程生産計画の平準化処理

基準日程生産計画の平準化を行う手法はいろいろありますが、日別に完成品数量の平準化が一般的です。
代表的なものはカンバン生産における日別パー割り処理です。カンバン生産でも基準日程生産計画は、生命線となる処理なんです。

資材所要計画(MRP Material Requirement Planning)とは

MRPでは、基準日程生産計画を元に、在庫引当てを行って、生産数・生産日または資材必要数・必要日を計算する処理です。生産管理では古くか知られている処理で、今でもたいへん有効な処理です。
MRPにはオーダ方針があり、日数まとめ・ロットまとめ・仕損率・安全在庫などの設定があります。

海外での基準日程生産計画とMRPの適用について

前提条件として、MRPでは在庫精度が98%以上必要で、このことが海外ではMRPは難しいと言われる要因です。
このため、在庫精度が向上するまでMRPは使うべきではありません。最初はマニュアル発注で出来るだけ対応して早急に在庫精度を上げる努力が必要です。