第3回 海外での入力ミス
高度な計算や算術を必要としない国
幼少のころより緻密な算術の訓練を繰り返してきている日本人などとは違い、海外ではそれほどの高度な計算や算術を必要としない国や地域が少なくありません。
タイもそれに近い国の一つと言え、こうした実情がデータの入力作業の場面で問題となるケースが後を絶ちません。
データチェックの重要性
まず、データの入力作業にあってはチェック業務がとても重要になってきます。
入力後の確認を任意や人任せとするのではなく、システムとして導入する必要があります。
その日に入力したデータを紙や画面などのアウトプットし、一つ一つ確認することが重要です。
目に見える形で間違いを直していくという方法が、予防法としては効果的です。
チェックが容易なシステムの導入
次に、作業工程(プロセス)をあまり重要視しない民族性にかんがみ、入力や作業手順にミスが生じた場合に備えて、その履歴(記録)が残るシステムを導入しておく必要も求められます。
赤黒処理という概念が乏しく、ともすれば「最終的に間違っていなければ問題はなかろう」という感覚がタイに多い感覚です。
民族性に優劣などは決してありませんが、これでは同様のミスは一向になくなりません。
再発防止のために履歴を残したり足跡を検証する習慣がそもそも少ないのですから、これをシステム上で補っていく必要があります。
入力や手順にミスがあってもその操作履歴が残るシステムに切り替えていれば、おのずとミスに気付き、次に同じ間違いをしないようになっていきます。
その計算の目的や理屈なども順次、理解できるようにもなるでしょう。
タイ人はこうだと決めつけずに、間違いを発見しやすくなる次善の策を講じることが大切です。
入力ミスの対策は地道な努力が必要
①入力データはアウトプットして一つ一つ、毎日確認。これに近道はありません。
②作業履歴が残るシステムを導入する。