第4回 MRP型と製番管理型の違い
受注タイプによる管理の型
タイで工場を運営する場合に、どのような生産管理の型を採用するかも極めて重要な要素となります。
管理型を間違えてしまいますとシステムがうまく稼働しないばかりか、不要な在庫に悩まされることも少なくありません。
受注面から見た場合、それは大きく次の3つに分類されます。
①見込みタイプ(繰り返し性あり)
②受注生産タイプ(繰り返し性あり)
③個別受注タイプ(繰り返し性なし)
一方、生産工程における運用面からこれを見ますと同様に次の3つに分かれます。
(a)MRP型(中間仕掛在庫あり) ①②に適用
(b)製番管理型(中間仕掛在庫なし) ①②③に適用
(c)上記aとbのミックス型 ①②に適用
(d)ジャストインタイム生産システム(カンバン生産方式)
このうち特に意識して欲しいものが、後段の類型区分のうちの(a)のMRP型(MRP Type)と(b)の製番管理型(Lot Control Type)の違いです。
管理の型と在庫管理
MRP型は加工業に多く、生産が困難な工程が多い現場に主に採り入れられています。
一方、製番管理型はロットによるひも付きが特徴的で、組み立て業などに多いタイプです。
部品の共用化が進んだ①の量産工程タイプはMRP型と、③の個別受注生産タイプは製番管理型と、それぞれ親和性があります。
このほか、部品の共用化が進んだ上流工程では(c)のミックスタイプも存在します。
異なる生産工程が組み合わさった生産現場では、中間仕掛在庫の存在を意識しないわけにはいきません。
安全在庫は受注に対する納期を短縮することができます。
しかし一方で過剰な在庫は生産工程のバランスを崩し、キャッシュ・フローの面からも損失となってしまいます。
自動車系はカンバン生産方式
トヨタ自動車など大手の自動車メーカーでは、ジャストインタイム生産システムであるカンバン生産方式と呼ばれる管理方法を採用しています。
工場内の前工程と後工程を連鎖の関係に置き、後工程で消費されたものから順に前工程で生産していくという管理法です。
現場で行う生産管理の類型と言ってもいいかもしれません。