第6回 在庫管理ポイントの重要性
生産指示発行ポイントと在庫把握ポイントの一致性
在庫管理ポイントは、生産指示発行ポイントと在庫把握ポイントが一致したものでなくてはなりません。
在庫を把握するためには実績を漏れなく把握していく必要があり、数量(良品数、不良数)、ロットNo、生産時間、資材消費品目の消費量及びロットNoなどをシステム上の端末に正確に入力していくことが重要です。
これらがしっかりと入力されていませんと、在庫が合わないという事態が発生し、正しい在庫の管理ができません。在庫を管理する上での最も基礎的で重要な作業となります。
細かすぎる在庫管理ポイントは運用倒れ
ここで問題となってくるのが、在庫管理ポイントをどのようなメッシュで設定するかという点です。
往々にして製造管理の立場では、品質向上や設備稼働率向上を考えるため、在庫管理管理ポイントが細かくなりすぎる傾向があります。
ところが、こうした細かい在庫管理ポイントを採用しますと、生産指示書の印刷工数や入力工数が膨大になりすぎます。
生産管理での在庫管理メッシュと製造管理の管理メッシュが違うということを意味します。
入力頻度が増すということは、ミスの可能性が高まるということも意味し、入力後のチェック作業量も増加していきます。
在庫管理ポイントの目安
在庫管理ポイントの目安として、以下のように考えられます。
・前後工程での設備が違っている。(工程バランスが取れていない)
・前後工程で、シフトが違っている。
・組立工程である。
・リードタイムが長い。
在庫管理メッシュをどこに設定するかで在庫管理が効率的機能的に運用できるかが変わってきます。粗すぎても精度の面で問題がありますが、生産工程ごとに細分化し過ぎても実際の運用が追いつきません。適宜な在庫管理ポイントのあり方が求められています。
なお、バーコードシステムの導入によって、メッシュの問題が解決するかのような誤った理解がありますが正しくはありません。
バーコードシステムは入力のミスを軽減するためだけのものであり、これによって読取る機会と労力がなくなるわけではありません。